駐車場が観光客を魅了しているのはなぜ？人々を楽しませる建築の秘密

2017/06/28

著名な建築物の裏側

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なんと駐車場が、マイアミの観光スポットとして注目されているのはご存知ですか？世界的建築家のヘルツォーク&ド・ムーロンが手がけた非日常的なデザインに魅了される方が多くいます。今回はその駐車場の建築について語っていきましょう。

世界的建築家ヘルツォーク＆ド・ムーロンとは

リンカーンロードにそびえるオシャレな建物、これ、実は駐車場なのです。驚くのもそのはず、手がけたのは世界的建築家であるヘルツォーク＆ド・ムーロン！ヘルツォーク＆ド・ムローンは、北京オリンピックメインスタジアムの通称”鳥の巣”と呼ばれる北京国家体育場を設計したことで一躍有名になりました。

スイス連邦工科大学チューリヒ校で学んだジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンのユニットで、2001年には建築を用いて人類と環境に貢献したと賞するプリツカー賞を。さらに、2007年には世界文化賞建築部門を受賞する活躍ぶりです。

日本でもみられる彼らの作品は、プラダ・ブティック青山店やミュウミュウ青山店。ミュウミュウ青山店は、ミュウミュウの店舗の中で初めて彼らが手がけた店舗として知られており、東京を訪れた際はのぞいてみるのもいいでしょう。

マイアミのデザイナーズ駐車場

では今回の本題、ヘルツォーク＆ド・ムーロンが手がけた駐車場はどういったものなのでしょうか。駐車場といえば、画一的で暗く、デザイン性を求めないとにかく機能的なイメージがありますが、1111リンカーンロードの駐車場を一目見ればその印象は吹き飛んでしまうでしょう。

壁を極限まで取っ払い、階によっては天井の高さが3倍ほど違い、高さも階層によって様々。階段をとっても、普通の駐車場ならば、狭くしてとにかく機能的であることを求められますが、1111リンカーンロードの駐車場の階段は逆に広く、鋭角的なデザインで階段本来の機能的であることに重きを置いていないのです。さらに、柱は台形を使ってスタイリッシュで躍動感を生み出させるなど、一見では駐車場と思えないようなデザインです。

実際、ヨガ教室やパーティー、結婚式など、普通の駐車場では考えられないようなイベントのために貸出を行っているとか。ただ、このようなデザインの駐車場になったのには理由があり、マイアミは海抜が低く、地下に建物が建てられず立体駐車場にせざるを得ないのです。さらに観光地でもあるため、公営のものであってもデザイン性を重視し注目を浴びることで、観光地に貢献できるようにしているという事情もあります。