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鉄筋コンクリート造の工事に携わるなら、構造スリットをおさえよう
鉄筋コンクリート造の建物を建設する際には欠かせない、構造スリットについて把握していますか?耐震スリットとも呼ばれ、熊本地震ではエキスパンション・ジョイントも活躍していましたね。今回はRC構造建築に携わるなら知らないなんていえない、構造スリットについて解説していきます。
構造スリットとは
構造スリットは主にラーメン構造で使われるもので、壁と柱や梁を縁切りするための仕掛けです。壁と柱の間のスリットは垂直スリット、壁と梁の間のスリットを水平スリットと呼びます。
ラーメン構造ならではの柱や梁の柔軟性を、壁で固定しないために欠かせないものですが、地震の際に注目されることが多いため「耐震スリット」と呼ばれることもあります。
また、似た構造である「ひび割れ誘発目地」と混同している方もいるかもしれません。ひび割れ誘発目地と構造スリットの違いは、構造計算。構造スリットは、構造計算を前提とした目地であり、ひび割れ誘発目地は直接の関連性がない理由で入れる目地という違いです。
また、施工上コンクリートと鉄筋との接合がなされていないのが構造スリット、逆に接合されていのがひび割れ誘発目地とも言われています。
構造スリットの納まり
構造スリットの納まりは美しくありたいものですが、設計者にとっては悩みのタネ。「納まり」とは上手く結合されているという意味ですが、建設中のコンクリートの打設中に鉄筋が動いてしまい、構造スリットの納まりが悪くなってしまうことあるのです。
納まりが悪いと、構造スリットの目的であり効果でもある、ラーメン構造による柔軟性を活かすことができず、柱や梁に負担がかかってしまいます。
外壁タイルが構造スリットをまたぐと浮いてしまうというのも頭を悩ませる点。また、設計段階だけでなく、しっかり固定していないと施工中や引き渡し後などにずれてしまい、数年後に水漏れやひび割れの原因となってしまうので注意が必要です。
清水建設で開発も
さらに、構造スリットがずれていると建物自体の見た目の美しさが崩れてしまったりも。これらを防ぐには型枠大工に高い技術力が求められていましたが、なかなか腕のいい職人を確保することが難しいこともあります。
そこで、清水建設などでは技術の差があってもしっかりと固定できる構造スリットを開発する取り組みがなされています。いい建築物を建てるには、いい資材・良い道具を使って良い工事を心がけましょう。型枠や構造スリットなどの資材、道具にお困りであれば東和製作所まで、まずはご相談ください。
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