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建設業界の深刻な人手不足はどう解決する?現在の動きを知り対策を!
人手不足と建設業界
現在、建設業界で人材不足が問題となっていることはみなさんもご存知でしょう。現役世代の年齢層も上がっており、建設したいけど人手が足りないというゼネコンの悲鳴が聞かれます。
「キツい・汚い・危険」の3Kがつきまとう建設業界は若者から敬遠されがちで後継の育成も難しい状態です。1995年は全体の6%を占めていた20~24歳の若者は2010年には2.4%に減少し、その動きを止める特効薬は見つかっておりません。
ただ、現在建設業界の景気と人手不足から賃金が上昇しており、以前より減少に歯止めはかかっています。とはいえ、現在はインフラ整備やオリンピック施設建設、復興による恩恵を授かっているため、その後はどうなるのか?長くは続かないのでは、という観測もあり、長期的に人材を確保できるような「改革」と「仕組み」作りが将来的に必要でしょう。
人材不足の原因と対策
大前提として、人手不足の問題は建設業界の仕組みに大きな原因があります。建設業界は、ゼネコンが受注し工務店や下請けの業者たちが下請けする仕組みが構築されており、大規模な建築物であっても実働は3次請け4次請けの工務店です。
そのゼネコンが2010に底を打つ建築業界の不況を乗り切るべく2012年頃まで労務単価を下げたことで、下請けの工務店も下げざる得ない状況に。そのことで、建設業界を見限る労働者が続出し、若者不足にも拍車をかけました。
休日がなかなかとれず予定を立てづらい、体力的に過酷な環境での長時間労働、高所での作業や大型器材が身近で稼働している中での作業など危険が伴うなどThe・3Kな作業員。3Kを耐え、かつ低賃金で働きたい方はそう多くありません。
また、体育会系に職人気質をプラスしたような会社の体質が原因で、若者が仕事を覚える前に嫌になって離職してしまうこともしばしば。さらに、少子高齢化が若者の人手不足に拍車をかけている部分もあります。
しかし、ここまで原因がはっきりしているのならば、それらを改善するなど根本を正していくだけでも変化が出てくるのではないでしょうか。
さらなる対策を
建設業界の景気に関していえば、2020年オリンピック以降は減少もしくは横ばいの状態と推測されています。今より給与などの面で不満が生まれる可能性が高く、人材の確保に苦労は続くかもしれません。
そこで、有識者の中からは新技術や新工法の開発に投資し、若者がやりがいを感じる環境を整えるべきとの声がでています。PCa工法などとは別に新素材の開発にも投資が検討されており、建設へのIT技術導入も国交省が検討をしている段階です。建築業界の動きなどを知っていただき、今後の人材確保のための一助になればと思います。
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