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建設の効率化図る、「建築ストック」の活用ってどんなもの?
建設業界における人材不足や高齢化は悩ましい問題。生産性をいかに上げるか、どう効率化したら工期短縮ができるか、あらゆる手段を検討していくでしょう。BIMや3DCADなどを用いて建設業のIT化をするのもその一環。加えて、「建築ストック」の活用も人材不足や高齢化対策のための取り組みの一つです。
建築ストックとは?
建築ストックとは、過去に建設された住居用・商業用問わず、現存している建築資産を指します。平成29年の調査では77億2,045万m2という膨大な数の建築ストックがあるということが明らかになっています。加えて、日々工事は行われ建物がどんどん建てられていくのと比例し、その数は増えてきています。
現在、日本は少子高齢化の影響もあって人口が減りつつあり、建設物の供給量は飽和状態。加えて建築ストックの増加は、高度経済成長や働き方の変化に伴い、都市部へ人が集まることが要因ではないかとされています。そして、供給過多の昭和30年代や40年代に建てられた大量の住宅を活用しようにも、すでに老朽化が進み、耐震性も不十分でそのまま使うことはできません。
そこから建築ストックの活用が議論されるようになったのは、耐震性、耐久性に問題のあった建築ストックをリフォームできる技術や補強技術の進歩によって可能になったと考えられます。一企業だけでなく、街単位で都市再生の一環として建築ストックを活用するケースもみられ、行政も積極的に活用に取り組んでいます。
参考記事:建築物ストック統計-厚生省
建築ストックの課題と技術による解決
建築ストック利用の課題といえば、間取りが現在のニーズにマッチしていないことや建物の耐震性を高めるための補強が必要なことが挙げられます。そこでリフォームするにあたって様ざまな取り組みがなされています。
例えば、天井を一部撤去してつながりのある空間を演出するメゾネットにしてみたり、梁せいの低減によって空間を確保、梁自体の剛性と耐力を補うなどの柔軟な対応が行われています。また、位置を変えづらい水まわりも、梁の貫通口を補強する技術が開発されており、ニーズに合わせた自由な間取りが可能です。
さらに、建物自体の耐久性については、既存の躯体にポリマー繊維を含んだポリマーセメントモルタルを吹き付ける工法が良いとされています。例で言うと、すでに築80年のコンクリート建築物も、適切にポリマーセメントモルタルを塗布することで60年も建物の寿命が伸びるというような事例もあります。
建築ストック活用事例
高度成長期の団地を活用する事例だけでなく、老朽化したオフィスビルを賃貸住宅や分譲住宅へと改修するなど多彩な例がみられます。街単位で再生という例で有名なのはニューヨークのSOHO地区でしょう。企業が去ってしまったビル群をスモールオフィスや住宅に改修し、人の流れを呼び戻し、活性化させました。そんな、建物だけでなく街単位の活性化が期待できる建築ストックを活用するため、適切な型枠工事をするならば道具や資材が必要です。型枠工事に関する道具や資材の提供は東和製作所におまかせください。
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