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建築物の基礎に打つ「群杭」とは? 群杭効果の計算式

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杭基礎(くいきそ)の種類は、鋼やコンクリートなどの使う材質や、打ち杭を使うか既製杭を使うかといった工法などでも分けられます。一定の範囲にどのくらいの密度で作るか・何本使うかによって分けられるのが、「群杭(ぐんぐい)」と「単杭(たんぐい)」です。

「群杭」と「単杭」の違い

建造物のブロック(柱や基礎)1つに対して杭を1本作るのが単杭です。これに対し、2本以上作るものを群杭といいます。

今は単杭のほうが一般的

かつては大規模な建造物になると、群杭を採用するのが一般的でした。というのは、杭1本では支持力(基礎や杭を通じて建物の重さを支えることのできる最大荷重)が弱いために数を増やす必要があったためです。

今では工法の改良と杭の材質の向上でこれらの問題は小さくなり、単杭のシェアが増えています。

群杭のメリット・デメリット

単杭と比べた場合の群杭のメリットは次のようなものがあります。

・設計や使用条件にもよるが、支持力が大きい。
・杭が複数あるので、一部にトラブルがあっても被害を減らせる可能性がある。

通常の場合、群杭にはデメリットのほうが多いのは否定できないところで、次のようなものが挙げられます。

  • 設計・施工が複雑になり、工期も伸びる。
  • コストが高い。
  • フーチング(基礎部分の底辺を幅広くし、荷重を分散する仕組み)が小さくなり、その分フーチング効果も低い。

群杭効果とは

ただ、群杭はこれらメリット・デメリットで考えるだけでは十分ではありません。その理由の代表が「群杭効果」です。最もシンプルには「一定以上の密度で複数の杭を作った場合に、これらがひとまとまりとしての効果を発揮し、単杭以上の支持力や破損・変形への耐性を持つこと」と理解しておけばいいでしょう。

この群杭効果があるからこそ、今日まで工法として残ってきました。ただ、単純ではなく、今でも多くの専門家がその計算方法や有効な使い方を研究しているところです。

群杭効果の計算式

群杭の支持力については、「貫入破壊(Rgp)」と「ブロック破壊(RgB)」で数値化して検討されます。この両方のうち、より数値の小さい方(不利な方)を採用して、単杭と比較することになります。

以下は、日本建築学会の「建築基礎構造設計指針」によるものです。

貫入破壊(Rgp)

Rgp=n・Ru

n:杭の本数
Ru:杭1本あたりの支持力

「本数が多いほど、その分だけ支持力が高い」という当然の計算になっています。また、単杭の貫入破壊も同じく「n・Ru」で計算されます。

ブロック破壊(RgB)

RgB=φ・L・s+Ag・quB

Φ:群杭の外側を結んでできる周長(群杭ブロックの断面の長さ×2+幅×2)
L:群杭ブロックの断面の長さ
s:群杭外側の地盤のせん断強度
Ag:群杭ブロックの面積(群杭ブロックの断面の長さ×幅)
quB:群杭ブロック部分の先端支持力度

群杭と単杭の比較

単杭を採用したときの支持力と比較した係数を「群杭効率」といい、「群杭の支持力Rgu」÷「群杭と同じ本数の単杭の支持力n×Ru」で計算され、通常は1.0を下回ります。つまり、効率だけに注目した場合、支持力の上では群杭は不利です。

ただし、地盤が粘土質の場合などには、例外的に1を超え、群杭のほうが支持力が高くなる場合があります。また、超高層ビルなど構造物があまりに大きすぎると効率ばかりを重視するわけにはいきません。単杭では重量を支えきれず、今でも群杭の出番になります。

もちろん、群杭・単杭、そのほか基礎工事に関する資材も豊富に取り扱っています。ぜひ東和製作所におまかせください。

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