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プレキャストとプレストレスト、二つの工法を活かしたPCaPC工法
コンクリートの弱点を補うことで建物へのダメージの蓄積を軽減し、地震や津波にも強いとされるPCaPC工法。東日本大震災による災害の影響を受けても立ち続けるほど、免震性の高い工法です。今回はPCaPC工法の特徴や基本についてお伝えしていきます。
PCaPC工法とは
PCaPC工法は、「プレキャスト・プレストレストコンクリート工法」の略称。その名の通り、プレキャストコンクリートとプレストレストコンクリートの良いところを活かしたものです。プレキャストコンクリート造は、現場ではなく専用の工場であらかじめ打設されたコンクリートで、現場では組み立てるだけというもの。天候や職人の腕に左右されないコンクリート部材なので使い勝手がいいということは以前こちらでも紹介しましたね。
一方、プレストレストコンクリート造とは、あらかじめコンクリートが圧縮されることで、一般的な鉄筋コンクリート造よりも高強度で復元力を備えているのが特徴です。地震の影響にも耐えられるので、橋梁や高速道路など特に強度や安全性が求められる建築物に多く起用されています。この2つのコンクリートの良さを建築に活かすPCaPC工法は、柱の数が少ない大型スパン構造とも相性がよく、津波の被害を軽減し、強度を保ちつつ免震工法のコストを減らすことが可能です。
過去記事:震災復興の追い風にもなった、PCa工法の基礎知識をおさえよう
PCaPC工法の手順
プレキャストコンクリート造と同様に、現場での施工が始まる前にプレキャストコンクリートを施工する必要があります。期間としては、プレキャストの製作図、銅製型枠、プレキャストの製作に6ヶ月をほどを要します。そこから建方開始、搬入などの時期も合わせて少なくとも3ヶ月は要します。
具体的な流れについては、コンクリート部材や型枠を作成し、専門工場での打設を開始しましょう。現場では基礎工事から、柱・梁・床板の架設へと進み、PC工法のコンクリート部材へPC銅材の通入や緊張作業、グラウト作業を経て内装などへ移ります。
PCaPC工法は耐久性や耐震性に優れているため、筋交いのない大空間をより安全に短期間に造りだすことができる工法です。スタジアムはもちろん、津波避難施設や市役所に病院など、常に人が集まり災害時にも機能すべき施設で多く採用されています。
耐久性の必要な建物に
PC工法とPCa工法を組み合わせることで活躍の幅を広げることとなりました。建築工法も適材適所。あらゆる工法を検討し、安全で効率良く、また施工後の建物の耐久性も考慮していきましょう。
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